引用元:PR TIMES「モリサワ 武蔵野美術大学と共同で発達性ディスレクシアのフォント環境と社会課題を検証する産学共同研究を開始」
URL:<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000406.000010848.html>
はじめに
近年、フォントの役割はますます重要になってきました。特に、発達性ディスレクシアを含む児童・生徒の学習環境の改善に向けて、武蔵野美術大学とモリサワが共同で取り組む研究が注目されています。ビジネス用の英語のフォントも作っているモリサワがどんな研究をおこなうのか、みていきたいと思います。
モリサワの取り組みとUDフォント
モリサワは、文字文化の保全・発展を支援する一般財団法人森澤信夫記念財団の協賛を受け、UDフォントの開発に力を入れています。その利用により、文字理解に苦しむ人々の学習環境の向上が期待されています。
発達性ディスレクシアとは
発達性ディスレクシアとは、知能の発達に遅れはないものの、文字を正しく読むことに困難を抱える学習障害の一つです。英語圏では人口の10〜15%(※1)、日本語話者では5〜8%(※2)がディスレクシアであるという研究結果もあるようです。
※1 Vellutino, F. R., & Fletcher, J. M. (2005). Developmental Dyslexia. In M. J. Snowling & C. Hulme (Eds.), The Science of Reading: A Handbook (pp. 362–378). Blackwell Publishing.(p. 363)
※2 Uno, A., Wydell, T. N., Haruhara, N., Kaneko, M., & Shinya, N. (2009). Relationship Between Reading/Writing Skills and Cognitive Abilities among Japanese Primary-school Children: Normal Readers Versus Poor Readers (Dyslexics). Reading and Writing, 22(7), 755–789.
共同研究の目的と展望
本共同研究では、小中学生を対象に、フォント環境だけでなく文字全体について考えることが重要視されています。教育現場の課題を明確にし、文字の読み書きに困難を抱える児童・生徒の学習をサポートするための方向性を探るための基礎研究を実施するとのことです。
なお、本研究は、東京工業大学野原研究室および株式会社コンセントの協力を得て行うとのこと。
武蔵野美術大学とソーシャルクリエイティブ研究所の役割
武蔵野美術大学のソーシャルクリエイティブ研究所は、社会問題の解決や新たな価値の創出を目指しています。本研究においても、その役割は大きく注目されています。
まとめ
モリサワと武蔵野美術大学による共同研究は、文字環境の改善に向けた重要な取り組みです。文字文化の保全と発展を目指す両団体の取り組みが、社会全体の発展に寄与することが期待されます。この研究が、将来のフォントデザインに大きな影響を与えることは間違いありません。
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